
不動産投資のメリット(1)
今回は「不動産投資のメリット」について、他の投資商品の比較も含めていくつか見ていきたいと思います。
相対的にみて安定した収益が継続的に得られる
不動産投資の収益の源泉となる家賃(賃料)は、景気が良くなる時も悪くなる時もさほど影響を受けず、わりと安定的に推移する傾向があります。将来得られるかどうかわからないキャピタルゲイン(売却などによる値上がり益)よりも少しでもインカムゲイン(配当・利息などによる現金収入)を得ておいた方が良いといった考えをお持ちの方にとっては、理屈(≒合理性)抜きにメリットと感じ得る部分と言えます。
また、不動産市場には中長期的な傾向として一定の循環があることが見受けられ、長い目で見るとそれほど大きく値動きしないといった特徴があります。一般的に、不動産は債券(国債等)に比べると価格の変動(リスク)は大きいが、株式に比べると小さくなると言われています。
<ご参考> 投資商品の一般的なリスク・リターンの関係
節税がしやすい
節税は、所得の「圧縮」および「分散」を行うことがベースになります。
例えば、相続税を算出する上での相続財産の評価。預金、債券、株式、投資信託等については時価で評価されるのに対して、不動産の相続税評価額は必ず時価とは限りません。土地は路線価などで算出する相続税評価額、建物は固定資産税評価額がベースで、一定の要件を満たすと評価額をさらに下げる(圧縮する)ことができます。
また、ほとんどの金融商品は、利益が上がればその利益に対してまるごと税金がかかってしまうのに対して、不動産投資の場合は得た利益を税法上のメリットを活用することで、圧縮することが可能です。利益を圧縮できれば、その分節税できるのは言うまでもありません。
詳しくは、志賀先生の「不動産投資の税金~節税の考え方」をご参照ください。
レバレッジが効く
不動産投資は、購入する不動産を担保にローンを組むことができるため、全額自己資金でなくても投資可能です。また、現在の低金利を背景したローンの金利と不動産投資を行うことで得られる利回りの「差」を活用することで、少ない投資金額で高い利回り(「レバレッジ効果」)を期待できます。
ちなみに、レバレッジとは、「てこ」のことをいいます。「てこ」は小さな力で重いものを動かす道具です。レバレッジ効果とは、「てこ」のように小さな資金で大きな利益(リターン)を得ることをいいます。
ただ、レバレッジを効かすために借入額を多くした方が、効率よく収益を得られるかもしれませんが、その裏側にはリスクがあることを知っておく必要があります。特には金利が上昇した場合が問題となります。金利の上昇によって、ローンの返済額が大きくなると、その分、収益は圧迫されることになります。自己資金とローンの割合については、投資家としてのリスク許容度(どの程度リスクを受け入れることができるのか、その度合いのこと)、経済環境をふまえつつ判断した方がよいでしょう。
一定の保証金を担保にして、その保証金の何十倍もの為替取引を行える「FX」もレバレッジの効く投資商品といえます。ただ、FXの場合は、言ってみれば「個人の信用」を担保にしている点が不動産投資とは大きく異なります。また、レバレッジを効かせ過ぎ、かつ、為替レートが予想に反した動きをして損失が膨らむと追加証拠金などが求められたりします。このようなことは不動産投資ではありません。
今回は以上です。次回は上記以外の不動産投資のメリットについて触れていきたいと思います。