【第2回】不動産投資をする前に「4つの質問」(後編)
こんにちは。株式会社日本資産総研コンサルタントの大野晃弘です。
今回のテーマは、前回に引き続き『不動産投資をする前に「4つの質問」(後編)』です。
前回コラムの【質問2】でパッケージ型ローンとプロパーローンについて触れましたので、概略についてご説明いたします。
※パッケージ型ローンとプロパーローン
収益不動産購入資金の借入は、いわゆる「アパート・ローン」として融資を受けることになるのですが、「アパート・ローン」には、商品として定型化されているアパートローン(以下、「パッケージ型ローン」)と、プロパー型のアパートローン(以下、「プロパーローン」)の2種類あります。では、それぞれの特徴を説明します。
まず、パッケージ型ローンとは、融資対象が不動産投資に限定されているため、「ご利用いただける方」「ご融資金額」「ご融資期間」「適用金利」等、あらかじめ決まった条件が明示されており、この枠内でしかローンが実行されません。よって、一つでも条件から外れた場合は融資しないため、融通が利かないのがデメリットですが、逆に言えば、条件を満たせば融資してもらえるということになりますので、各金融機関に条件を確認し、皆様の状況と照らし合わせてみていただければと思います。
次にプロパーローンとは、各金融機関が企業の「事業資金」として貸し出す融資のことで、あくまでアパート経営を一つの「事業」として判断して貸し出す融資のことを言います。(信用保証協会の保証もつけません。)
また、プロパーローンは融資条件の枠組みが特に決まっていないので、臨機応変にローンを組むことが可能ですが、その分審査項目が多く、厳しく審査されるため時間(約1ヶ月程度)もかかります。
それでは、「4つの質問」の後編のご説明です。
【質問その3】億の投資(借入金)はできますか?
これは、不動産投資の方向性として、「どのような構造の物件からスタートすれば良いか」を判断するための質問です。
億単位の投資(借入金)ができる方であれば、最初から一棟RC(鉄筋コンクリート)マンションの検討も可能です。そうでない方は、区分マンション、一棟W(木造)アパート又は一棟S(軽量鉄骨・鉄骨造)アパート・マンションからのスタートをお勧めします。
【質問その4】自己資金は?(資産の棚卸しをしましょう!)
自己資金額がわかれば、購入できる物件の最高額がわかります。枠内は、自己資金1,000万円、購入諸費用を物件価格の6%と仮定した場合で、「物件価格の何割を借り入れるか」によって、購入できる物件価格を逆算した例です。
- フルローン(全額借り入れ、自己資金は諸費用のみ)の場合
1,000万円÷6%=1億6,666万円(物件価格)- 自己資金1割(9割借り入れ、自己資金は物件価格の1割と諸費用)の場合
1,000万円÷16%=6,250万円(物件価格)
この例からも、投資家様の半数の方は自己資金を使いたくないということで、フルローンまたはなるべく多くの借入れをしたい(いわゆるレバレッジ)とのご希望が多くなります。ちなみに、弊社が取引しているフルローン融資の可能性のある金融機関は、そのほとんどが、対象物件を一棟RCマンションとしています。
また、投資家様の属性(収入条件、資産状況、居住地、勤務先、家族構成)と、投資物件の内容がマッチングしないとフルローンは組めません。よって、皆様のおかれている状況をきちんと把握する必要があるのです。
そこで、後述します「簡易バランスシート」を作成して、資産全体を把握することをお勧めします。
以上「4つの質問」をとおして、お互いの不動産投資に対する認識を共有化させ、投資家様の資産状況や属性と、ご希望の不動産投資スタイルにミスマッチはないか、どのような構造の物件に投資していくかを検討していきます。
いかかでしたか?
次回は、不動産投資をする前に「不動産投資のロードマップ」をお送りします。