【第1回】不動産投資をする前に「4つの質問」(前編)
みなさま、こんにちは。
株式会社日本資産総研コンサルタントの大野晃弘です。
今回のコラムのテーマを選定するにあたり、現在、数多くの不動産投資に関する書籍の出版やセミナーが開催され、皆様も大変勉強されていることから、なるべくコンサルティングの現場からフィードバックしたものをコラムにしたいと考えました。
そこで、昨今の金融危機・不動産不況の中、2008年7月から2010年6月までの2年間で取引した、合計23棟・63億円(平均利回り10.9%)の収益不動産の取引事例や現場の話を交えながら、最新の収益不動産購入戦略・戦術を中心に「週末起業大家さんの成功の秘訣」について書いて参りたいと存じます。
本コラムが皆様の今後の不動産投資(経営)においてお役に立てれば幸いです。
第1回のテーマは、『不動産投資をする前に「4つの質問」(前編)』です。
1. 不動産投資をする前に ~「4つの質問」と「不動産投資のロードマップ」~
弊社のセミナーや相談会で多くの投資家様とお話する機会があります。皆さん書籍やインターネット等で大変良く勉強されているのですが、とてもスムーズに話が進む方がいらっしゃる一方、「自分の場合はどうなのか?」と悩んでいる方も多数いらっしゃいます。
悩むのは当たり前のことです。
不動産に同じものがないと一緒で、あなたと同じ人はいないからです。
ですから、私はまず初めに皆様へ「4つの質問」をさせていただいています。
それによって、今後の方針(戦略)である「不動産投資のロードマップ」が立て易くなるのです。
【図1】はその概念図です。
【図1】「4つの質問」と「不動産投資のロードマップ」
(1)4つの質問
【質問1】なぜ、不動産投資をするのですか?(目的を明確にしよう!)
不動産投資をする目的や将来の目標(なぜ、何のために、いつまでに、どの程度の資産規模を等)を持つことは非常に重要です。しかし、よくある「不景気で給与収入が落ちた。今は収益不動産も安くて利回りが良いから、収入の補填のために購入する。」という理由だけでは問題があります。
なぜなら、不動産投資は非常に高額であり、不動産投資特有の様々なリスクがあるからです。一度購入したら、もう後戻りはできないのです。
確かに、現在(注:2010年10月)では、利回りの良い物件も出ています。融資する金融機関さえあれば購入することができ、ある程度のキャッシュフローも見込めます。おそらく年収の20倍程度の投資(借入金額)は可能でしょう。
しかし、「一定期間で複数棟保有したい」、「もっと投資金額を大きくしたい」という場合は、一棟目の買い方を間違えると、その目標を達成する事が非常に困難、又は多くの時間を要することになります。
現に、私は二棟目以降の購入について数多くの相談を受けているのですが、保有物件の内容、借入機関、購入方法が原因で、当分の間は購入が難しい方が少なくありません。
やはり、不動産投資に対する目的と目標をハッキリさせて、安易に購入せず、しっかり勉強して自分の不動産投資の基準である“ものさし”を持つことが大切です。
※“ものさし”については今後コラムにて掲載予定です。
【質問2】家族は賛成していますか?
不動産投資は投資金額が大きくなるため、ご家族の賛成が必要条件となります。実際に、不動産投資を成功されている方は、皆様、ご家族のご協力を得られています。
また、プロパー・ローン(事業用ローン)を利用する場合は、家族(配偶者)の連帯保証人が必須となります。
しかし、家族があまり賛成していない場合、連帯保証人にはなって頂けないケースがほとんどです。ある投資家様は、契約締結後に家族の反対を受け、泣く泣く違約金を支払って契約解除いたしました。
連帯保証人の代わりに、保証会社の利用や、団体信用生命保険への加入を条件に融資をする金融機関もありますが、やはり融資の選択肢は広げておくことが大切です。ご家族が賛成していない方は、まず身内の理解と協力を得られるように頑張りましょう。
ワンポイントアドバイス
家族が連帯保証人になれない場合は、事前に、連帯保証人としての保証会社の利用や、団体信用生命保険の加入について、金融機関に確認する必要があります。パッケージ型のアパート・ローンがそれにあたります。なお、この場合、定められた融資条件を満たす必要があり、自己資金も売買価格の何割かを要求されることがほとんどです。
いかかでしたか?
次回は、『不動産投資をする前に「4つの質問」(後編)』をお送りします。