購入前にすべきこと
今回は『購入前に何をしなければならないのか?』につきまして触れて参ります。
まず、以前お話した内容を踏まえ、購入前から『チームとして動き分析する』事をお勧め致します。
【チーム ⇒ 自分自身で信用の置ける管理会社やコンサルタント等】
次に、管理会社へのアプローチですが、『この物件の購入を検討しているが、一緒に現地を見てもらえませんか?』と頼んでみて下さい。管理会社側から見れば、受託するまではタダで動くことになりますので、もしかしたら嫌な顔をする管理会社もあるかもしれません。管理会社は購入してから長い付き合いになりますので、お願いしているのに力を貸してくれないような管理会社であれば、『こちらからお断り』くらいの感覚で、次の管理会社をあたるべきです。何社か声をかければ分析能力に優れた親切な管理会社に必ず出会えますので、信じて行動して下さい。
管理会社がある程度決まったならば、以下のリスクについて把握し対応策を分析したいと思います。
購入前に 把握しておく リスク | (1)空室リスク |
(2)賃料下落リスク | |
(3)建物不具合等による、出費リスク | |
(4)滞納リスク | |
(5)自然災害による建物毀損のリスク | |
(6)金利上昇リスク | |
*その他のリスク |
リスクが色々あると「収益不動産の運営って、本当にうまくいくのかな・・・?」と、心配になりますよね。購入後に対策を講じるのでは出遅れてしまいますので、購入前からチームで動き、先を予測する事が大切であると言えます。
では、リスクについて1つずつ確認していきましょう。
(1)空室リスク
物件を購入したのに、空室が埋まらないと焦ってしまうものです。様々な理由があるから空室が続いてしまうものですが、内装リフォームがあがっていて直ちに入居可能な状態と仮定してお話しさせて頂きます。
空室は、内見してもらわないと一向に埋りませんが、内見数を増やすために
A.適切な募集条件がイメージ出来ているか?
B.その物件の魅力をいくつ上げられるか?
という要素が大切になります。
Aにあげました募集条件ですが主だった要素としまして、賃料・管理費(共益費)・礼金・敷金、等で構成されております。物件の所在するエリアにも因りますが、昨今、『賃貸契約時の初期費用を少しでも抑えたい』と望む方が非常に多く見られます。従いまして、借り手から見れば、礼金や敷金は少ないに越した事は無いという訳です。
次に、賃料(管理費、共益費を含む)設定についてお話しを進めましょう。
賃料設定は、言い換えるならば、自社の商品(賃貸物件)をいくらで提供し、競合他社の商品はいくらで販売されているか?または、自社の商品(賃貸物件)はその価格に見合った品質であるのか?という事と同じです。
大家さん『社長』であるならば、この事は把握する必要がありますので『購入前』に的確なイメージを掴んでおいて下さい。そして絶対に希望的観測で賃料を算出しない事です。
では、Bにあげました物件の魅力ですが、勿論1つでも多い方が好ましいと言えます。
「駅から近い」「間取りが良い」「設備が良い」「日当りが良い」「お洒落な外観」「賃料が安い」・・etc
という具合に色々あると思います。このとき必ず、借り手側に立った目線や感情で物件を捉える事が大切ですが、購入後に変更出来る事(設備や賃貸条件等)と変更出来ない事(主に立地)がありますので良く理解して下さい。
近隣にライバルとなる物件が多数あるとするならば、この物件の劣っている面を貴方が考えている魅力でカバーリング出来て、且つ、勝ち残れるかどうか?をチームで検証してみて下さい。この点におきましても、希望的観測で考えないで下さい。
(2)賃料下落リスク
収益不動産を探し始めると、物件の販売図面に記載されている以下の項目ですが
(例)
現況賃料(月額)■■万円 満室想定(月額)●●万円、表面利回り10.5%
このような数値は、そのまま読み取るのではなくて、入居中であっても再募集賃料を査定して下さい。各号室で仮に間取りや設備が全く一緒であったとしても、賃料に一万円以上の差がついている場合があります。この差は、賃貸契約を締結した時期により大きく左右されますが、では適正な賃料ってどのようにして決めたらよいの?と思われるのではないでしょうか?これは大きな要因として1つ上げますと、『需要と供給のバランスによる』と言う事です。
賃料は不変的なものではなく、10年以上前と現在を比較すれば、勿論同額ではありませんし、周辺環境の変化によっても変わります。また賃貸市場が動きにくい梅雨時期から夏場と、引越しシーズンである3月前後では絶対的な需要数が違うため、賃料に差が出る事があります。
従いまして、購入を検討している物件が満室で稼働していたとしても、全て空室のつもりになって、現時点において募集したらいくらが適正なのか?を必ず検証して下さい。
(1)と(2)は、運営上で最も大切な事の1つであり、綿密な賃料査定をする事で、購入後の収益が大きくぶれる事を未然に軽減出来る事となります。
再度申し上げますが、賃料に関する事は最も大切な事の1つですので、大家さん『社長』自身も内容を把握したうえで、チームとして検証して下さい。
次回も、引続き『購入前にすべきこと』の残りの項目についてお話しさせて頂きます。