
『週末起業大家さん』としての管理運営の考え方
始めに、一口に『大家さん』と言いましてもいろいろなタイプの大家さんがいらっしゃいます。
中でも、大きく分けさせてもらいますと
- 地主型大家さん
- セミ・リタイヤ大家さん
- 週末起業大家さん
1、の地主型大家さんは、広大な土地をもともと所有してらっしゃいますので、中古物件を購入するよりも、アパートやマンションをお建てになられる方がほとんどです。しかも、自己所有地に建設しますので、自宅から近くにある事が多いため、管理面で有利に働きます。また、時間的なゆとりを持っている方が多く、金融機関からの信用も既に備わっている事が最大の特長と言えます。私がお世話になっている大家さんも、江戸川区や小金井市、日野市あるいはその他の地域に数名の方がいらっしゃいます。
2、のセミ・リタイヤ大家さんですが、勤めを終えられてから収益不動産の運営を始められますので、金融機関からの融資を鑑みれば不利な要素があるかもしれませんが、これまでの蓄えがありますので、資金面と時間にはゆとりがあります。
そして、3、の『週末起業大家さん』ですが、まさに今回このコラムを読んで下さっている多くの方はこちらに当てはまるのではないでしょうか?
『週末起業大家さん』の名の通り、普段は別のビジネスを持っていて、残りの時間を有効に活用し収益不動産を運営するわけですから、1や2の大家さんと比較すると時間的に不利であると言わざるをえません。資金面におきましても、地主型大家さんに勝る方はほんの僅かしかいらっしゃらないと思います。
しかしながら、部屋を借りる側からすれば、地主型大家さんの物件なのか、『週末起業大家さん』のものなのか?全く分からないわけですから、地主型大家さんの物件と、時には競い合わなければならない状況が起こりえる場合があります。
では、どのようにして勝ち残ればよいのか?と言う事につきまして、答えは非常に簡単なのですが、結論から申し上げますと、自分で信用できる専門の人と出会い、上手に付き合い、自分自身で内容を理解した上で、その人に『任せる』という事です。ここで、ポイントは『完全にまかせっきりにしない!!』という事です。
先程申し上げましたが、『内容を理解した上で』実務的な事は業者に任せる。と言う事が重要になります。
『賃料収入は不労所得』や『不労所得を増やそう』と言ったフレーズの文面を拝見する事が多々あります。確かに、毎日その場所に行って、時間を拘束される様な事はありませんので、ある意味では『不労所得』という言葉は当たっているかもしれませんが、私の考えをお話しますと、収益不動産を所有した時点で、会社の『社長』になった事と同じ認識を持って頂き、管理会社の担当者や、その他関係業者さんは、自分の『従業員』と言うイメージを抱く事が出来れば理解しやすいかもしれません。(あくまでイメージです。)
勿論、必要以上に行うことはありませんが、『ある一定の心配り』をしてあげる事で、自分自身の大切な『従業員』は所有している収益不動産の為に、大いに働いてくれます。やはり、人と人とのつながりで運営しているわけですから、大家さん『社長』の熱意や考え方、あるいは性格が管理会社やその他関係業者さんに伝わるものです。
こういったつながりをコツコツ積み重ねて行く事で、収益不動産を運営する為の『強いチーム』が生まれるわけです。これは高い管理手数料を支払ったからと言って、必ずしも手に入れられるものではないはずです。
先程申し上げました様に、毎日拘束される事はありませんが、その代わり頭を使い、心配りをして指示や決断をする、ということを考えれば、必ずしも不労所得ではない、というのが私の考えです。
そして、『強いチーム』を手に入れることが出来たならば、競合している相手がたとえ地主型大家さんであっても恐れることは無い、と言う結論になります。
次回は、収益不動産を『購入する前』『購入した後』にすべき事など、もっと踏み込んだお話をさせて頂きます。