不動産投資のリスクをコントロールする~資産価値の変動リスクとその対策

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不動産コラム 不動産投資のリスクをコントロールする~資産価値の変動リスクとその対策

不動産投資のリスクをコントロールする~資産価値の変動リスクとその対策

前回までは「収益性(キャッシュフロー)に関するリスク」をお伝えしましたが、今回は「資産価値の変動リスク」について解説したいと思います。

あなたが保有する不動産は、時間の経過や外部環境の変化、突発的な事故などの影響により価値が変動します。株式などと違って値動きは比較的緩やかですが、事故・災害時や、外部環境に急激な変化があった場合、資産価値に大きな影響を及ぼすことがあります。

そして、この「資産価値の変動」は、あなたが物件を売却するとき、非常に重要な意味を持ちます。もし資産価値が大きく下落していれば、あなたは売買で多額の損失を被ることになり、不動産投資自体が失敗になってしまう可能性があるからです。

それでは、なぜ不動産の資産価値は変動するのでしょうか。以下では、資産価値に影響を与える要因を「物理的要因」と「需給的要因」に分けて検証していきます。

 

対策が可能な「物理的要因」

「物理的要因」は、土地・建物に物理的な変化(主にマイナスの変化)が生じることで資産価値が変動するものです。

たとえば、外壁や給排水設備など、建物・設備に破損・故障があれば、その分だけ資産価値は低くなります。ただし、多くの場合、費用をかけて対策を講じれば、資産価値を元の水準に近づけることが出来ます。

  • 建物・設備の損傷(破損・劣化)

    建物・設備損傷は、主に偶然・突発的な事故(火災・風災など)と自然損耗に分かれます。

    自然損耗に対する根本的な対策はありませんが、こまめに修繕をかけることで劣化のスピードを遅らせることは可能です。一方、突発的な事故による破損が発生した場合は、「損害保険」を活用することで修繕費用を捻出できる可能性があります。

    この違いが大きく現れるのが水濡れ損害(水漏れ事故)です。建物内の配水管から水が漏れて、建物に損傷が発生した場合、水漏れの原因が突発的かつ偶然な事故であれば、損害保険により費用が補償される可能性があります。一方、原因が自然損耗によるものであれば損害保険の補償はありません。
     

余談ですが、一度事故が起こると、建物の修繕費用だけでなく、入居者への損害賠償も発生する可能性があります。資産価値を維持する意味もありますが、後述する訴訟リスクを回避する意味でも、適切なタイミングで修繕をかけていくことが必要です。

 

対策が難しい「需給的要因」

「需給的要因」は不動産に対する需給のバランスが変化することにより、資産価値が変動するものです。

たとえば、買い手が多く存在するにもかかわらず不動産の供給が少なければ、不動産の資産価値は上昇します。反対に、買い手が少なく、不動産の供給が多くなれば、不動産の資産価値は下落します。

買い手と不動産の供給のバランスは、主に外部的な要因により変動することが多く、有効な対策を講じることが出来ないものも多く存在します。

  • 融資環境の変化

    融資環境に変化があると、不動産の資産価値に大きな影響が出る場合があります。たとえば、これまで不動産に積極的に融資していた銀行が、急に引き締めを行った場合、融資を受けて不動産を買える人が少なくなるので、必然的に物件価格が下がります。 
     
  • 残存法定耐用年数

    物件が古くなると、物件価格が低くなる傾向があります。これは単に建物・設備の老朽化だけでなく、融資の受けにくさも影響しています。一般に、古い物件は融資期間が短くなるため、収支が圧迫されます。そうすると、自己資金を多く持っている投資家でなければ融資を受けるのが難しくなるため、買い手の数がぐっと減ります。そうするといわゆる「買い手市場」になるため、物件価格(資産価値)は下落するのです。
     
  • 事故・事件リスク(風評被害)

    ひとたび事故・事件(殺人等)が起こると、その物件は買い手が敬遠してしまうため、物件価格が下落します。一般的には予防のための対策を講ずることは難しいですが、一部の保険会社(少額短期保険会社)では、入居者の自殺や孤独死を理由とした建物復旧期間中の家賃収入の損失に対して保険金をお支払いするところもあります。 
     

以上、今回は資産価値の変動リスクについて、不動産の資産価値に影響を与える要因を解説しました。対策が難しい要因もありますが、保険等を使って上手くリスクを転嫁する方法もあります。保険の活用の仕方など、また稿を改めて解説したいと思います。

また、色々な要因がある中で、実際にどのように資産価値の変動を予測していくのか。これは「出口戦略」に関係してきますが、この点も改めて解説できればと思います。

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