不動産投資のリスクをコントロールする~収益性に関するリスクとその対策(1)

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不動産コラム 不動産投資のリスクをコントロールする~収益性に関するリスクとその対策(1)

不動産投資のリスクをコントロールする~収益性に関するリスクとその対策(1)

前回は、不動産投資に関するリスクについて、大きく3つに分類して、その概要をお伝えしました。今回は、それらのリスクの中で「収益性(キャッシュフロー)に関するリスク」に焦点を当てて解説したいと思います。

以前にも少し触れましたが「収益性に関するリスク」には、主に次のようなものがあります。

  • 空室リスク
    空室が発生し、賃料収入が得られないリスク。
  • 家賃滞納リスク
    入居者が家賃を滞納するリスク。
  • 賃料下落リスク
    所有物件の賃料が下落するリスク。
  • 修繕リスク
    故障・老朽化等で修繕費用が発生するリスク。
  • 金利上昇リスク
    金利が上昇して、ローン返済額が増加するリスク。

これらのリスクが顕在化すると、思ったようにリターンが得られないばかりか、下手をすると赤字に転落してしまう可能性があるのです。ただし、これらのリスクは、運営手腕や購入時の調査などである程度対策を打つことは可能です。そこで、今回はこれらのリスクへの対策について解説します。

(※対策の詳細については、ここでは説明しきれませんので、稿を改めて解説したいと思います。)

 

「空室リスク」の対策

「空室リスク」への対策は、「テナント・リテンション」(長期入居対策)と、「空室対策」(新規入居者募集)の2つです。

「テナント・リテンション」は入居者満足度がカギです。入居者満足度が高ければ、入居者は積極的に転居しようとは思いません。簡単に言えば、入居者にとって「今の部屋は家賃に見合っているかどうか」が大切になります。これには、ハード面(設備等)の対策、ソフト面(運営)の対策があります。

ハード面の対策にはお金がかかるので、費用対効果の検証は必要ですが、最低限の投資は必要と心得ましょう。エアコンや水周りなど、入居者入れ替えのたびに損耗具合を確認し、必要であれば交換することも検討しましょう。

ソフト面の対策ですが、最近では「更新料」の扱いが重要です。というのも、「更新料」は転居のきっかけになりうるからです。最近では更新料をゼロとする物件が増えてきました。更新料の収入が無くなるのは痛いところですが、空室になるよりはマシ、という大家さんが増えているのが現状です。

次に「空室対策」ですが、これはさらに二つに分かれます。内見者数を増やす対策と、内見者の成約率を上げる対策です。

内見者を増やすには、仲介業者の力を借りて、あなたの物件に内見希望者を連れてきてもらう必要があります。それは、広告料であったり、謝礼であったり、あるいは営業マンとの信頼関係だったりします。

成約率を上げるには、いかに物件を良く見せるかがポイントです。この点、古びた使用感が目立つとマイナスです。壁紙や床、水周りがきれいにされているか、スイッチや電気系統に問題がないかなど、自分でチェックできるポイントはいくつもあります。

また、設備投資をして物件の魅力を高める方法もあります。古びた設備を新しくすると、確かに入居者は決まりやすいでしょう。ただし費用対効果の問題もありますので、バランス感覚を身につけられるよう、色々な実践事例の情報収集をしてみることをおススメします。

いずれにしても、最低限のことを実践するだけでもかなり効果は違うはずです。営業マンの「当て物件」にされないように、あなたのお部屋の魅力を高める努力をしましょう。

 

「家賃滞納リスク」の対策

「家賃滞納リスク」の 対策として、入居者への「事前審査」と「滞納保証」が大切です。

「事前審査」では最低限、年収や勤務先を確認することで、毎月家賃を支払い続けてくれるかどうかは分かると思います。また、なぜ今回引越しをしたのか、出来ればその理由を把握しておくほうがよいでしょう。前の物件でトラブルを起こして転居する場合もあります。

「滞納保証」とは、万が一、入居者が家賃を滞納するようになった場合に、入居者に代わって第三者に滞納家賃を支払ってもらうよう約束してもらうことです。そして、この保証を契約条件にすることが肝心です。この場合、2通りの方法があります。ひとつは親・兄弟などを連帯保証人とすること。もうひとつは滞納保証会社を使うこと。

従来は連帯保証人を契約条件にするのが一般的でしたが、いざ滞納が始まってしまうと連帯保証人も連絡が取れないなど、困った事態に陥ることも多々ありました。

この点、滞納保証会社を使うと、滞納家賃を保証してくれるほか、滞納分の回収まで代行します。大家さんとしては実務的にも心理的にも楽になるので、利用する方が増え、実際の賃貸経営の現場でも一般的になっています。

ただし、2008年に大手滞納保証会社リプラスが倒産したケースもありますので、保証会社の信用性も考慮しましょう。

そのほか、契約後の対策として、入居者とのコミュニケーションも大切です。自主管理している方の中には、常に入居者との会話を通じて、「大家さんに迷惑はかけられない」という意識を持たせることに成功している人もいます。是非参考にしてください。

 


 

以上、今回は収益性に関するリスクのうち、「空室リスク」と「家賃滞納リスク」について、その対策を解説しました。次回はこの続きで「賃料下落リスク」「修繕リスク」「金利上昇リスク」についてお伝えします。

繰り返しになりますが、これらのリスクは、毎月のキャッシュフローを悪化させますが、運営手腕や購入時の調査などである程度対策を打つことは可能です。是非これらのリスクを理解し、その予防(コントロール)を心がけてください。 

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