不動産投資と税務 税務署の取り締まりに大きな変化

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不動産コラム

不動産投資と税務 税務署の取り締まりに大きな変化

今回は、昨年、巷の不動産投資家を脅かしていた「税務署の動き」についてお話します。

実は2013年春頃から、赤字申告を出している個人事業主に対して、税務署からの「お尋ね」が多発していたことをご存知でしょうか。今回はその背景となった事件と、税務署のスタンスについて解説します。

 

脱税指南コンサルタント逮捕で税務署の取り締まりに大きな変化

 

さかのぼること2013年の2月15日、ある経営コンサルタントが、所得税還付の不正請求を指南したして、所得税法違反(脱税)容疑で逮捕されました。

 

不正還付請求のメカニズムは至って簡単。

架空の副業で赤字を作り出し、その副業の赤字と給与所得と損益通算することで、40名のサラリーマンに合計、約2500万円の不正還付を受けさせていたという事件です。

 

副業で赤字をつくり、所得税の還付請求を行なう節税(脱税?)方法は、一部の人間の間で知られていましたが、ここまでシステマチックに大規模で行なわれていた事実は、とりわけ税務関係者に大きな衝撃を与えました。

 

そして、問題はこの後でした。この事件の影響で税務署の取締り姿勢が大きく変化したのです。

語弊があるかもしれませんが、これまでは、給与所得500万円以下のサラリーマンの場合、不動産所得で赤字申告をしていても、ほぼノーチェックに近い状態で通っていました。

 

ところが2013年春、そんなぬるま湯の環境は突然幕を下ろしました。給与所得の大小に関わらず、赤字申告をしている人を対象に、税務署からの「お尋ね」が多発し、税務調査も多く実施されるようになりました。

 

ここからは、あくまでも私の推測ですが、そもそも税務署には「いかに多く税金を徴収するか」という考え方が根底にありました。

そう考えると、低所得者を相手にするよりも、大きな徴収額を見込める高額所得者への調査に注力したほうが、効果が大きい。これまではそう考えていたのではないでしょうか。

 

しかし、この一連の事件が発覚した後、明らかに不正な税務処理に対する審査の目は厳しくなりました。この動きは、「今後、根拠の無い赤字申告は許さない」という、税務署からの強いメッセージです。

 

不動産投資家にとって、この環境下で大事なことは「何がOKで、何がNGか」その境界線をきちんと認識しておくこと、そして、税務署から追及されても、きちんと根拠を示せる準備・体制を整えておくことです。

 

不動産投資家の皆さんは、是非税務知識を身につけ、税務署と渡り合える準備と体制を整えてください。

 

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