副業の不動産所得、確定申告はどうする?効果的な節税の方法は?

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不動産コラム

副業の不動産所得、確定申告はどうする?

(今回の相談)
昨年、副業で収益不動産を買って、初めて確定申告をしました。かなりドキドキでしたが、インターネットで色々と調べて自分で確定申告をしてみました。やってみると、自分でもなんとかなるものかと思いました。ただし、経費の計上の仕方など、色々と不安はあります。不動産収入の確定申告で注意すべき点があれば教えてください。また、効果的な節税方法についても知りたいです!
 
(回答)
今回は確定申告に関するご相談ですね。副業の不動産所得については、給与所得のように勤務先の会社で年末調整をしてくれるわけではないため、自分自身で確定申告をする必要があります。次年度に向けて、今から確定申告の準備をしている人もいると思いますので、今回は特に個人所得税申告で有利となる青色申告についてお話します。
 

三つの節税対策

不動産投資の節税対策は大きく分けて三つあります。ひとつは、お金を使う節税になりますが、「1.経費を増やす方法」。具体的には、修繕や接待、セミナー代など経費を増やして、不動産所得を減らすことで節税します。もうひとつは、青色申告特別控除や、小規模企業共済等掛金控除など「2.控除を増やす方法」です。最後は、「3.税率を下げる方法」です。たとえば、配偶者を役員にして所得を分散したり、法人化して所得分散をしたりすることで税率を低くすることで節税します。
 
「節税」というと多くの方がお金を使って「経費を増やす方法」を連想します。確かに「経費を増やす方法」は、手っ取り早く税金が安くなるのですが、利益が残らないので本末転倒な結果になることも多いようです。特に収支が悪く見えるので、金融機関からの見方も厳しくなるので注意が必要です。
 
今回は、確定申告に関するご質問でもあるので、2番目「2.控除を増やす方法」の節税に絡めて、青色申告の活用について少しお話します。
 

確定申告するなら青色申告が有利

所得税の確定申告には、白色申告と青色申告の二つがあります。白色が原則で、青色が例外です。青色申告は一定の要件を満たし税務署の事前承認を前提としており、青色申告によらない申告は「白色申告」と呼ばれます。
 
青色申告とは、複式簿記の手法に基づいて帳簿を記載し、その記帳から正しい所得や所得税及び法人税を計算して申告することです。もともと青色の申告用紙を使用して申告することが由来です。ちなみに平成13年以降の所得税申告書は青色ではなくなっています。
 
さて、この青色申告をすることができるのは、承認申請期限(個人の場合、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日)までに所管税務署長の承認を受けた者のみです。通常であれば(過去に青色申告の取消を受けたなどの場合でなければ)、期限までに申請が税務署で受理されれば青色申告が承認されます
 
ちょっと面倒なようですが、不動産投資の確定申告は青色申告が有利です。青色申告にするだけで、利益から10万円を差し引くことができ、納付する税金を少なくすることができます(事業的規模の場合65万)。一方で、白色申告にはこうした特典はありません。青色申告にはその他にもメリットがあるので、確定申告書を提出する場合には青色申告を選ぶ方が多いようです。
 

青色申告のまとめ

 
1. 青色申告の主なメリット
 
・所得税の青色申告特別控除を使える(原則10万円、事業的規模※の場合65万)
 (※所有している不動産が戸建なら5室、アパートやマンションなら10室(5棟10室)の場合)
 
・青色事業専従者給与
 もちろん実態は必要ですが、家族に給料を支払うことができます。
 
・純損失の繰越控除
 赤字を3年間繰り越すことができるため、次年度以降、黒字の場合でも繰越損失と相殺することが出来ます。
 
これらのメリットを有効活用することで、納税額を少なくすることが可能になります。
 
 
2. 青色申告の注意点
青色申告をするにあたっては、取引の帳簿付けと領収書などの書類を保管する必要があります。ただし、投資の規模が戸建5棟またはマンション・アパート10室に満たない場合には、現金の出入りを記録する帳簿(簡易帳簿)でも問題ありません。
 
※白色申告の場合でも、平成26年1月からこの帳簿記帳と資料の保管が必要になりました。同じ手間をかけても白色申告の場合、各種特典がないので青色申告を選ぶ方が合理的です。
 
 
3. 青色申告の方法
青色申告をするには、最寄りの税務署に事前の届け出が必要です。申請書類と書き方のサンプルを参考にして、税務署に届け出を提出しましょう。
 
【提出書類】所得税の青色申告承認申請書
 
【提出先】記入した申請書は最寄りの税務署に提出します。
 
【提出期限】提出期限は原則、青色申告する年の3月15日迄です。
 
 1月16日以後に新たに事業を開始した場合には、投資用不動産を購入時から2カ月以内に提出しましょう。
 (例)
 1月10日に始めた場合→提出期限は3月15日迄
 4月1日に始めた場合→提出期限は5月31日迄(事業開始から2カ月以内)
 
 

個人の場合の節税 まとめ

「1.経費を増やす方法」

実際にお金を使って経費を増やすことによって、納税額を減らすことはしやすいです。ただし、お金が残りにくくなりますので、使い過ぎると本末転倒な結果になりますので注意して下さい。なお、青色専従者給与を活用して、家族にお金を払う方法は有効ですので、覚えておいてください。
 
(事業専従者給与、専従者控除での節税)
通常、生計を同一にしている配偶者や親族へ支払った給与は経費として計上することはできませんが、青色申告を行う場合で、かつ青色事業専従者の届けをしている場合、対象となる家族へ支払った給与を全額経費として計上することができます。また、白色申告者の場合も配偶者で最大86万円、その他親族であれば最大50万円までの給与を計上できます。ですので、不動産の運営や管理などで家族に支払った給与がある場合、これらの制度を利用すると計上できる経費が増えることになりますので節税につながります。
 
(減価償却費)
ちなみに不動産の経費の代表格「減価償却費」については別の機会にまとめますが、節税というよりも「課税の繰り延べ」ですので、ここでは扱いません。
 
 

「2.控除を増やす方法」

今回のテーマ、青色申告をすることによって、青色申告特別控除を受けると効果的な節税になります。
 

「3.税率を下げる方法」

法人設立などが必要となるため、別の機会にまとめます。
 
 
以上、確定申告にちなんで、青色申告を活用した節税について解説しました。帳簿の整理など面倒な部分もありますが、手元に残るキャッシュが違ってきますので、是非チャレンジしてみてください。
 

(質問)
不動産投資には、3つの節税の方法があるのですね。また、副業でも、青色申告を活用すると節税につながることもよくわかりました。確定申告の手間も考えると副業で不動産投資をするのも結構大変なんですね。自分はやはり経費が一番気になります。「1.経費を増やす方法」についてもう少し教えてください。よく不動産投資を始めたら、領収書をもらっておけと聞きますが、領収書をもらうときの注意点があれば教えてください。また、宛名を書いてもらいそびれた領収書なども経費として使えるのでしょうか。

 
(回答)
領収書に関して税務署が気にするのは日付、金額、経費を何に使ったかの三点です。この三点が重要なのであって、上様でも空欄でも経費にならないことはありません。ですので、レシートでも全く構いません。レシートが出ないオンラインショッピングであれば、プリントして取引した証拠を残しておきましょう。
 
領収書に品代としてと書かれてしまうと何を買ったか分からないですが、逆にレシートの方が領収書よりも内訳が書かれているので証拠として役に立つと言えるかもしれません。逆に本当は経費じゃない支出を経費にしたい、という方は、ごまかすために領収書にしますよね。
 
ですから、領収書のあて名については、全く他人でなければ、法人名義でも個人名義でも、上様でも、空欄でも構わない、ということになります。副次的なものに過ぎないという認識でよいと思います。ただ、税務署の方でちょっと怪しい支出だと疑われた場合、会社名でもらっている方が、税務署に対して言い訳が立ちやすいということはあるかもしれません。その意味で、副業の不動産投資は、法人で不動産投資をするよりも制限はあるかもしれませんね。
 
注意点としては保管期限。領収書などの帳票類は、確定申告後、保管しなければいけない義務があります。期間は7年になっているのできちんと保管をしておきましょう。後になって税務署から連絡があり、このときの取引を提示して欲しいといわれても帳票類が保管されていなければ最悪の場合、否定されることもあります。
 
 

(質問)
なるほど、これから領収書は大切に保管しておきたいと思います。ちなみに、どんな費用が経費になるのか教えてほしいです。経費の計上について、副業だから不利ということはあるのでしょうか。副業の不動産投資でも経費計上できるような費目を教えてもらえるとありがたいです。例えば、物件の視察費用も経費だと思うのですが、実際に不動産投資用として購入した物件の費用でないと経費計上できないと聞いたことがあります。でも、実際にはその何倍もの物件を見て回るので、それらも経費計上して然るべきだと思うのですが・・・。

 
(回答)
物件視察費用に関しては、結構初心者が誤解をするところです。これは、その方の不動産投資が事業的規模であるかどうかで変わってきます。単なる副業の場合には、そこまで規模が伴っていない場合も多いと思います。事業的規模でない場合は、「その収入を得るために使った費用」が経費になるというのが原則です。そうすると買わなかった物件からは収入を得られていないので、経費計上できないという考え方があるわけです。これに対して事業的規模になると、「その事業のために必要だった費用」が経費になります。そうすると購入していなくても、不動産投資・不動産事業として見に行っているだけで、経費になるという形になります。
 
よく不動産投資初心者の方で、不動産所得がゼロなのに、物件の視察で100万円使っているから、これを経費にして赤字申告をして還付しようと考えている方がいらっしゃいます。でもこの場合、不動産投資が「事業」になっていないので、経費計上はできないことになります。もちろん、不動産関連の高額のセミナーなども経費にすることはできないので注意しましょう。 
 
 

(質問)
事業的規模、というのは結構大事なポイントなのですね。危うく、何でもかんでも経費に突っ込んでしまうところでした。それでは、副業の場合は余計に厳しいかもしれませんが、家賃や光熱費の家事関連費の按分計上について知りたいです。自宅の家賃を事務所経費として計上するのは難しいでしょうか。まるまるは無理でも何割くらいなら計上されやすいでしょうか。それとも厳格に詳しく計上すべきでしょうか?
 
 
(回答)
まず理解が必要なのが、家事関連費の概念です。個人の業務において、一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用を家事関連費いいます。副業云々以前に、家事関連費は白色申告について経費計上はできません。また青色申告者であっても、家事関連経費のうち、事業に関する区分で明確に説明できる部分のみを経費計上することが出来る、というのが原則です。ご質問のあった自宅の家賃や光熱費についても、原則として明確に自分で区分しなくてはいけません。家賃であれば、事務所として活用している部屋の面積を計測して、事業と居住の割合を分ける必要があるのです。ただ、実務上、実際は皆さんそこまでやるのは面倒なので3割くらいを経費にする方が多いというのが実感です。基本的に自宅の半分以上が事業の面積とは考えられないので、半分も付けると付け過ぎかなと思います。
 
さて、ここでひとつ言っておきたいのが、経費の定義。これは副業であれ専業であれ重要です。よく「どこまでが経費になるか?」という質問を受けるのですが、この質問の真の意図は「どこまでは、経費に入れてしまっても大丈夫ですか?」という意味合いですよね。たとえば、友人と飲み食いをした経費を「接待交際費」で計上してもいいかどうか、私的な名目で使った交通費を「旅費交通費」で計上していいかどうか、など。税法上の観点から考えると、不動産投資のための支出でなければ、これらは経費にすることはできません。あくまでも、不動産収入を得るための支出に限られるからです。
 
 

(質問)
はい、税務署に睨まれるのは嫌なのでよく肝に銘じます・・・。ちなみに、税務署から指摘されやすい経費として、どのようなものが多いのでしょうか?
 
 
(回答)
家族で飲食した飲食代、家族旅行をしたものを交際費で落とすケースです。不動産所得では、交際費はすべて落ちないのかというとそうではなくて、業者の接待であれば十分、交際費として認められます。しかし、記録をきちんとつけておくことが必要です。物件視察に行った場合でも、現地できちんと見て来たという記録を残せば認められます。またよく誤解されるのが福利厚生費。家族旅行を福利厚生費で経費計上しようとする人が多いのですが、役員や従業員が家族の場合は、福利厚生費は法人でも認められません。
 
不動産投資の経費については、様々な正しくない情報が飛び交っているので、今回お伝えしたような原則をきちんと理解してください。副業の方が、おかしな節税をしてしまったために、会社に副業がバレたりするケースもあります。本末転倒なので、是非気を付けてくださいね。
 
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